カナダで1番大きな大麻イベントをレポート!【Lift&Co. Expo Toronto 2022】

こんにちは、CBD部まさきです。
5月15日にカナダのトロントで行われたカナダで1番大きな大麻イベントLift&Co. Expo Toronto 2022」に参加してきました!
今回の記事では大麻合法国のカナダで最も大きな大麻イベントがどういったものなのかを現地レポートと併せて紹介していきますので、ぜひご高覧ください!
前回の記事でカナダが大麻合法国となるまでを「カナダにおける大麻の歴史」で説明しているので、まだ読んでいない方は是非こちらもチェックしていただけると嬉しいです!

Lift&Co. Expoとは

Lift&Co. Expoとは、カナダで一番大きな大麻のイベントです。
「何千人もの参加者や出展者がつながり、大麻企業・大麻ブランドの認知度を高める場を提供する」ことを目標に掲げています。大麻業界のトップリーダー、栽培者や研究者が一同に集い、新たなビジネスチャンスを創出する。それだけでなく、大麻に関する情報のアップデートや教育も目的に含まれています。

こちらは過去のLift&Co. Expoの開催実績です。

[過去のEXPO開催実績]

2018年5月25日-5月27日Expo Toronto
2018年10月17日Vancouver Expo Special (大麻解禁日前日)
2019年1月11日-1月13日Expo Toronto
2019年6月6日-6月9日Expo Toronto
2019年9月5日-9月6日Expo Berlin 
2020年1月9日-1月11日 Expo Toronto
2021年11月18日-11月21日Expo Toronto(COVID-19でワクチン証明が必要)
2022年5月12日-5月15日Expo Toronto(今回)
(開催実績がまとめられたものがなかったので、IGから確認。漏れがあるかもしれません。)

過去の開催実績から、大体1年に1~2回行われることが分かります。
過去のアーカイブ等が残っていないので分からないのですが、大麻解禁前にどのような形でExpoが行われていたのかが非常に興味深いです。また、解禁日前日にもイベントを開催していたり、ベルリンでも開催していたりと様々な試みをしていると分かります。
このイベントには、カナダ国内だけでなく、アメリカやヨーロッパからも来場する方が来るようです。前回の2021年はコロナの影響があったにもかかわらず、130の事業者と1万人を超える来場者で賑わったと報告されています。イベントでは、有識者によるパネルディスカッション、調理実演、栽培ワークショップやジョブフェアなど、来場者を楽しませるコンテンツがたくさん用意されています。

さらなる詳細は、ぜひ公式HPやSNSからご確認ください!
HP:https://liftexpo.ca/
IG:https://www.instagram.com/liftandco/
Twitter:https://twitter.com/liftandco

Lift&Co. Expo2022

今回、僕が参加したLift&Co. Expo2022の詳細は以下の通りです。

[Lift&Co. Expo2022 詳細]
開催期間:2022年5月12日-5月15日

5月12日Lift Cannabis Business Conference(大麻ビジネス会議)
5月13日-5月14日Industry Days(大麻業界に従事している方のみが参加可能)
5月15日Consumer Day(嗜好目的の一般消費者・医療目的の患者が参加可能)

僕が参加したのは5月15日のConsumer Dayです。
開催時間は11時〜16時、会場はMetro Toronto Convention Centreです。

Metro Toronto Convention Centre

会場まではトロントピア国際空港からバスと電車を利用して1時間ほど、最寄りの駅から歩いて10分ほどのところにあります。

数字で見るLift&Co. Expo2022

公式HPから引用

画像は公式HPで公表されているLift&Co. Expo2022に関する数字です。
今年は2万人を超える参加者250を超える出展企業が会場に集まる(集まった)と想定されています。
そして、参加者の45%が消費者55%が大麻産業の方とも公表されています。
つまり、約9000人の消費者と約1万1000人の大麻産業の方が集まったようです。
そして会場の大きさは40000SQ. FT.。大きさが分からなかったので調べてみると、およそ25mプール10個分。自分で書いていて、あまりピンときていないのですが、とにかく大きい会場でしているということを強調しています。
さらに、来場者の来場理由も明確になっていて、37.4%が新たなビジネスパートナーの構築するため、27%が大麻について学ぶため、2%は調査、23.6%がその他の理由とのことです。

現地レポート

ここからは現地レポートを写真とともに報告していきます!

会場1階 受付
18歳以下は参加できないという注意書き
その他の規約、会場での大麻喫煙は禁止

受付の際に事前購入した電子チケットとパスポートを見せる必要があったのですが、
「えー!日本人なの!?」と受付の方に驚かれました。来場者とおぼしきアジア人の数は数名程度だったことからも、このイベントに参加する日本人というのは、非常に珍しいようです。
来場前は、先日合法化したタイの方々が多くいるのではないかと考えていたのですが、予想は外れました。
もしかすると、前日の大麻産業従事者を対象とした日に参加されていたのかもしれません。
とにかく、僕が参加した消費者を対象とした日には、アジア人の姿がほとんどありませんでした。

受付が終わるとエスカレーターを使って2階メイン会場へ!
2階に上がると多くのブースが見えます
左側
右側
参画企業の一部ロゴ集

ここからは各ブースの写真を載せていきます。
全ての写真を載せると膨大な量になってしまうので、一部を紹介していきます!

大麻専門の検索アプリ アルファベット順、価格順、THC/CBD含有量の高い順にソートが可能
様々なボング
pre-roll(ジョイント)を大量に作れる機械
pre-roll作成過程
ローリングペーパー
大麻栽培用ライト
大麻株の種類や成長に合わせてライトを使い分けるとのこと
ジャマイカの医療大麻を栽培している会社
ジャマイカは医療大麻は合法(厳罰化されていない)
カナダで有名なエディブル会社
カナダで最も売れたTHC含有チョコレート
このグミのサンプルをいただきました(もちろんTHCは含有されていません)
人気のチョコレート
CBN含有の睡眠向けグミ
大麻専門の検索アプリ
この店に在庫はあるのか、どこの店にあるのか等、本屋さんの検索システムに近い
大麻栽培用品や機器の会社
大麻が育ちやすい苗代
クローゼットサイズの栽培スペース
同じく大麻栽培用品
休憩所、喫煙は禁止
ボルケーノ
大麻の梱包工程の一部
カフェスペース
大麻栽培用品・機器
大麻用の肥料
大麻栽培用の土
ボング等のアクセサリー
大麻用の肥料
こちらも大麻用の肥料
オイルの注入機器
大麻栽培用品
大麻とNFT
大麻のマスコットキャラクター

イベントを振り返って

このイベントに参加して1番強く思ったことは、
「大麻産業には、こんなにも多種多様なビジネスが展開されているのか」ということです。
イベントに参加する前は、「大麻ブランドを持っている企業の展示会」といったものを想像していました。
しかし、いざ参加してみると大麻製品そのものを取り扱っている企業は少なく、栽培関係や栽培機器等が多く出展していることが分かりました。
「大麻を合法化すれば、雇用が増える」という話をよく耳にしますが、僕がその話を聞いた時は大麻農家、工場やディスペンサリー程度しか想像できていませんでした。このイベントに参加して、大麻栽培用の肥料、ライトや苗代、ローリングペーパーやジョイントを大量生産する機械、大麻専用の検索アプリなど様々な分野の企業が生まれていることが分かり、「雇用が増える」という意味を改めて理解しました。

各ブースで、僕が日本人であるということを伝えると、やはり珍しいようで多くの企業の方が驚いていました。日本が大麻非合法国ということを知っている方は多かったのですが、CBDやCBG・CBNは条件付きで輸入できるということを知っている人は少なかったです。

そして、会場コンテンツの一つであるパネルディスカッションが非常に面白かったので、中でも特に面白かった2つを簡潔な内容とともに紹介いたします!

パネルディスカッション「女性と大麻」

大麻業界で働く女性たちのパネルディスカッション。
今回のLift&Co. Expo2022のマネージャーや大麻関連企業のCEOの方々です。
ディスカッションの主なテーマは、
「痛みとうまく付き合わなければいけない女性だからこそ大麻との相性は良いはずだ。」ということです。
このテーマに関しては四人全員が賛同していました。また、女性の権利問題と大麻の問題は、
どちらもタブー視されてきた歴史があるので、「どちらかが良い方向に進めば、片方も良い方向に進むといった、
シナジーを生み出せるのではないか」という意見もありました。
さらに、ベッドルームでの話題にもなり、バイアグラやローションのように大麻が夜の営みを円滑にするものとして機能する可能性についても話をしていました。「痛みや不安を取り除き、お互いに大麻製品を共有することで、より良い関係を築けるのではないでしょうか?」という発言に、会場の女性たちの多くが頷いておりました。
「女性と大麻」に関する問題点として、女性向けに作られた製品は世の中にたくさんあるので、「多くの製品の中から大麻製品を手に取らせるように努力が必要であるということ」「手にとっていただいても、効果をあまり感じられないと2度と大麻製品を使わないかもしれないということ」が挙げられました。女性向けに作られた化粧品や美容・健康製品がたくさんある中で、いかに埋もれないようにするか、いかに女性の持っている悩みにベストな製品を販売者がオススメできるかが重要だということです。

パネルディスカッション「インクレディブル・エディブル」

大麻ビジネスのコンサルタントやエディブル会社のCEOのパネルディスカッション。
主なテーマは、「エディブルが秘める可能性」についてです。
エディブルの1番の可能性というのは「エディブルが最も摂取がしやすい大麻製品であること」だと彼らは語ります。
「普段、喫煙しない人でもエディブルなら抵抗なく始められる。」「ジョイントと違って、大麻独特の匂いを発生させないため、摂取できる場所が多い。」といった内容が話し合いの中でありました。これには、タバコを吸わない僕自身も非常に共感でき、「大麻は臭いから嫌いだ。」という語学学校の友人が多いことを思い出しました。
さらに、「摂取量が分かりやすい。子供や老人はオイルやカプセルを避ける傾向があるが、チョコやクッキーやガムならハードルは高くない。」とも言っていました。
エディブル業界の現状の課題は、「1つの製品にTHC10mgしか加えられない」と彼らは語ります。
「アルコールは度数の規制がないが、100度の酒瓶を一気飲みするような消費者はいません。THC10mgの規制も緩和するべきです。現状は規制のせいで、含有量が多くて安い非合法市場での購入が中々減りません。規制が緩和されれば1mg当たりの値段も下げられ、安全な大麻製品の流通が増え、政府の税収も増えるはずです。」という意見に会場からは拍手があがりました。
僕が個人的に面白いと思ったエディブルの可能性は、「現状、大麻が酒のようにレストラン等の一部店舗で摂取が可能になるのであれば、エディブルのみの緩和が一番現実的です。なぜなら、エディブルは匂いを発生させないので、他のお客さんに迷惑をかけることがないからです。」といった発言です。
このパネルディスカッションでエディブル市場の今後について、非常に興味が湧きました。

まとめ

当記事では、カナダで1番大きな大麻イベントLift&Co. Expo2022の現地レポートを皆様にお届けいたしました。
会場の雰囲気が少しでも伝ったのであれば幸いです!
大麻合法化前からカナダで行われている大麻イベントには、多くの大麻産業の方と多くの消費者が様々な目的で集まっていることが分かり、非常に素晴らしい時間を過ごせました。
僕たちCBD部が行っている展示会「CBD Journey」も日本のCBD業界をもっと盛り上げられるような展示会にしていきたいなと強く思いました!
次回のLift&Co. Expo2022は2023年のバンクーバーで1月12日~14日の期間に開催されるようなので、是非チェックしてみてください!
ご精読ありがとうございました。