CBDアドベントカレンダー2025の企画の一環として、現場で活躍するプロフェッショナルの声をお届けします。
今回の記事では、カンナビノイド検査の最前線で活躍するKCAラボジャパン オペレーションマネジャーのカイトさんにインタビューし、その歩みや挑戦、そして未来への展望を伺いました。カイトさんの実体験に基づく熱い語りから、業界の革新と信頼性向上に向けた取り組みの全貌をぜひご覧ください。
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- 【質問1】KCAラボジャパンに関わるきっかけについて: カイトさんがKCAラボジャパンに参加された背景や、Asabisでのご経験がどのように今回の挑戦につながったのか、ぜひ詳しくお聞かせください。
- 【質問2】新法人設立時の取り組みと工夫: 設立初期の運営サポートやシステム構築において、特に重視されたポイントや、苦労された点について教えていただけますか?
- 【質問3】KCAラボジャパンの信頼性と権威について: 米国本社の技術と運用ノウハウを背景に、日本市場においてどのような信頼性を構築しているとお考えですか?具体的な事例やエピソードがあればぜひお聞かせください。
- 【質問4】現在の活動と今後の展望: 現在カイトさんが関わっているプロジェクトや、これからの事業展開について、どのようなビジョンをお持ちかお話いただけますか?
- 【質問5】業界全体への影響と未来への期待: CBDやヘンプ関連の事業が日本市場でどのように発展していくと感じられるか、そしてカイトさんご自身の経験を通じた業界への期待や、未来への展望についてお聞かせください。
【質問1】KCAラボジャパンに関わるきっかけについて: カイトさんがKCAラボジャパンに参加された背景や、Asabisでのご経験がどのように今回の挑戦につながったのか、ぜひ詳しくお聞かせください。

私のカンナビノイド検査への挑戦は、2023年にCBD部の部員として活動を開始したことから始まりました。当初、一人のCBDユーザーであった私は、CBDひいてはヘンプという植物全体に大きく興味を持つようになり、CBD/ヘンプの事を話し合えるようなコミュニティーを探していました。そこでAsabis株式会社が運営するCBD部というコミュニティに所属しました。
当時はメンバーとタッグを組み、社内サービスの運営やPythonなどのプログラムを用いた内部業務の効率化に取り組んでいました。その後、第5回CBDジャーニーで運営のリーダーを務める機会を得たことで、多くの事業者や業界のプレーヤーの皆様と交流することができました。
当時、Asabis代表の中澤が進めていた新規プロジェクトの1つとしてKCAラボジャパンの設立がありました。当時から現在に至るまで、信頼性の高い検査機関とパートナーになることが業界全体にとって重要な課題であったため、米国から日本への誘致を進めていました。(信頼性の高い検査機関の選び方や基準については、こちらの記事もご参照ください)自分のCBD/ヘンプへのパッションと科学的なアカデミックのバックグラウンドを組み合わせることで力を最大限に活かせるのではないかと感じ、お手伝いさせていただくことになりました。
KCAラボジャパンの法人化とCBDジャーニー等の両プロジェクトを同時に推進するという難しさもありましたが、そのマルチタスク経験は今の業務運営に大いに活かされています。
【質問2】新法人設立時の取り組みと工夫: 設立初期の運営サポートやシステム構築において、特に重視されたポイントや、苦労された点について教えていただけますか?
日本支部としてのスタートは、全くのゼロからの挑戦でした。カンナビノイド検査機関としては国内に数か所しか存在せず、参考になる例もあまりありませんでした。応募フォームの作成や検体の配送といった全工程について、弁護士や外部プロフェッショナルの皆様と議論し、模索しながら整備する必要がありました。私たちが特に重視したのは、「カンナビノイド検査を面倒なく、かつ簡単に依頼できる環境」を整えることです。これまで、ISO/IEC17025などの認定を持つ機関は少なく(ISO/IEC17025の重要性についてはこちらの記事をご参照ください)、第三者認定機関により信頼性を担保された検査機関の大半が外国機関に偏っていたため、英語での対応が求められるというハードルがありました。そうした課題を解消するため、国内での運用体制を一から築く苦労と工夫の日々でしたが、その分、信頼性の高いシステムを構築できたと自負しています。
【質問3】KCAラボジャパンの信頼性と権威について: 米国本社の技術と運用ノウハウを背景に、日本市場においてどのような信頼性を構築しているとお考えですか?具体的な事例やエピソードがあればぜひお聞かせください。

私は理系大学で、発光基質の専門的な研究に従事していたという経験を持っています。その際に、カンナビノイド検査にも使用されるHPLCという機器を使用してたんぱく質精製を行っていました。そういった化学分析等における科学的な知見を基に、根拠のある分かりやすいカスタマーサポートの提供に努めています。米国本社との密な連携により、最新かつ正確な情報を提供できる体制を整えており、これが業界内外からの信頼獲得に大きく寄与していると感じています。実際、技術面はもちろん、丁寧なサポートを求めるお客様からも高い評価をいただいております。
本社のメンバーやKCAラボのバックグランドの信頼性に関しては、こちらの記事も是非ご参照ください。
【質問4】現在の活動と今後の展望: 現在カイトさんが関わっているプロジェクトや、これからの事業展開について、どのようなビジョンをお持ちかお話いただけますか?

去年GreenZoneJapanの正高先生と共同で行った、新規制施行に伴うカンナビノイド製品の市場調査を日本臨床カンナビノイド学会をはじめとし、様々な場所で発表させていただきました。調査の結果、合計24社からご提供いただきましたカンナビノイド製品98検体中の51検体(全体の52%)から規制値以上のΔ9-THCが検出されました。この調査を通して、0.1 ~ 10ppmという低濃度範囲におけるΔ9-THC検査の難易度の高さや、化学的に安定した合成カンナビノイドのサプライチェーンの強化の可能性など、様々な課題点が示唆されました。こうした事実に基づく情報提供や提言は、厳しすぎる新規制の内容を改めて見直す良いきっかけにもなるのではないかと期待しております。今後も様々な事業者や団体とこのような連携をしていくつもりで、新しい調査の計画も始まっております。これら取り組みを通じて、より健全な規制の整備を推進し、さらなる企業の参入や市場規模の拡大につなげていきたいと考えています。
【質問5】業界全体への影響と未来への期待: CBDやヘンプ関連の事業が日本市場でどのように発展していくと感じられるか、そしてカイトさんご自身の経験を通じた業界への期待や、未来への展望についてお聞かせください。
新しい法規制の導入により、従来の事業者が減少する一方で、カンナビノイド製品中のΔ9-THCの含有量が明確に規定されるなど、製品の品質管理に対する意識が高まっています。これは、業界全体にとって非常に良い影響をもたらす可能性もある変化だと捉えています。今後、品質管理のプロセスが確立されれば、大手新規事業の参入が増え、市場全体が一層活性化すると考えています。また、カンナビノイドに関する知識がより一般に広がり、消費者が安心して製品を利用できる環境が整えば、業界の未来は非常に明るいと信じています。
これまでの経験を基に、国内におけるカンナビノイド検査の利便性と信頼性を高め、業界全体の発展に寄与していく覚悟を持って、日々取り組んでいます。今後も、現場から得られる知見と技術を活かし、安心・安全な環境づくりに努めていきたいと思います。少しでも当社が貢献できるよう尽力する所存です。
以上、KCAラボジャパン オペレーションマネジャー カイトさんへのインタビューでした。今後もカンナビノイド検査分析にまつわる様々な情報発信をしていただけるとのことでしたので、こちらのXアカウントを是非フォローしていただければ幸いです。もし具体的な検査・分析等のご相談の際は、こちらのウェブサイトよりお問合せください。
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