アジア国際ヘンプエキスポ2023に行って感じたこと ~CBDアドベント2024~

はじめに

初めましての方もこんにちは、CBD部のこんさんです。
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私はこの度、11/22~11/25にタイのバンコク(クイーン・シリキット・ナショナル・コンベンション・センター)で開催されたアジア国際ヘンプエキスポ2023(Asia International Hemp Expo 2023)にお邪魔してきました。日本では法的に禁止されていて偏見も残る大麻がこんなにも注目されている!?本記事ではそんな様子をお伝えできればと思います。最後まで読んでいただけると幸いです。

では、始まり、始まり~。

※本記事は、CBD/麻を盛り上げるという趣旨の「CBDアドベントカレンダー2024」と連携中

1. アドベントカレンダーとは?

元々アドベントカレンダーとは、12月1日からクリスマス当日までの日々をカウントダウンして楽しみに待つための期間限定カレンダーのことを指します。
そこから転じて、最近では12月1〜25日にかけて、業界や趣味ごとにブログ記事を日替わりでアップして情報交換や交流を図る動きが出てきています。例として、IT関係アドベントカレンダーサウナ関係アドベントカレンダーが立ち上がったりと、多様なテーマのアドベントカレンダーが盛り上がっています。

2. 本企画「CBDアドベントカレンダー」の趣旨

3月24日〜4月20日の28日間にかけて、CBDに関わる様々な方々がCBD/麻に関する知見や熱い思いに関するブログ記事(もしくは動画)を日替わりで発信、そこから生まれる知見共有や議論によりCBD/麻産業を盛り上げるきっかけをつくりたいという趣旨です。
アドベントカレンダー企画は、通常クリスマス時期に開催されることが多いですが、今回の日付の設定理由としては、Japan CBD Day(※)である3月24日を開始日、CBDの由来である大麻を祝う日である4月20日を最終日としました。
新たにCBDに興味を持つ方が増えたり、既にCBDを好きな方がCBDに関する知見を更に深めたり、家族や友人との間でCBDに関する会話が始まったりと、何かCBD/麻産業が盛り上がるきっかけの一つになれば嬉しいです。
※アルファベット順でC=3, B=2, D=4となることから、CBD部がJapan CBD Dayとして勝手に提唱。

引用元:>>CBDアドベントカレンダーとは

アジア国際ヘンプエキスポ2023について

アジア国際ヘンプエキスポとは、2022年にアジアで初めて大麻を合法化させたタイで毎年開催されているアジア最大の展示会です。今回で2回目の開催となり、出展企業数が約500社、来場者数は約12,000人とアジアだけに限らず世界中から出展企業・参加者が集うグローバルな展示会となりました。

アジア国際ヘンプエキスポ2023は『ヘンプの将来に対する情報、重要な利点、認識の向上、持続可能な解決策を求めるビジネスパーソンや実業家のためのタイ発で唯一の国際イベント』(公式サイト引用/google翻訳)というテーマを掲げ、一般のユーザーはもちろん、事業者同士の情報交換や交流を深め、ヘンプ業界の盛り上がりを加速させる目的があるとされています。同時に、5大陸から著名な講演者を招いての国際会議、ビジネスマッチングサービス、ビジネスや産業のバイヤーや来場者のために特別に企画された興味深いアクティビティが会場内で開催されました。

会場の様子

全体的な感想

まず、一番印象に残っているのがこの会場の大きさです。

クイーン・シリキット・ナショナル・コンベンション・センター(外観)
クイーン・シリキット・ナショナル・コンベンション・センター(内観)
クイーン・シリキット・ナショナル・コンベンション・センター(受付)
クイーン・シリキット・ナショナル・コンベンション・センター(入り口付近掲示板)

さすが、国をも巻き込んで開催された国際イベントだなと感じました。建物の中に入ると、大麻のにおいがほんのり漂ってきます。沢山のブースがあり、各企業が自社の商品をPRしようとCBDオイルを並べたり、栽培に使う照明を展示したり、抽出の様子を披露していました。ブースによってはお客を呼び込みミニゲームに参加してもらって自社商品をプレゼントしたり、商談の場として利用しているところもありました。

CBD製品やヘンプ製品
大麻草の苗

もちろんここは大麻の合法国です。収穫直前まで大きく育った大麻や種、花穂の展示もあり合法国ならではの展示物も印象に残っています。

日本企業について

世界中からたくさんの企業が参画する中、日本の企業も存在感がありました。主に、島津製作所、サボテン、麻草屋の3企業です。日本で大麻は麻として古くからの歴史があり伝統的な麻織物(麻布)として古くから重宝されてきました。戦後、GHQの影響で今現在は法律で禁止されていますが日本の技術はやはり世界でも通用するものだと再確認できました。

島津製作所(展示ブース)

中でも印象に残っているのが、サボテンさんの大麻専用剪定用鋏です。こちらの企業様はCBD部が主催する国内最大のCBD/ヘンプの展示会『CBDジャーニー』にも出展していただいておりました。鋏を展示しているのはどこの展示物を見てもこのサボテンさんのみで、一体どんなものなのか一目見ようとブースに見に来る方も多く、実際に手に取って体験している方もいました。ブースにいたスタッフにお話しを伺うと『海外受けも良く、珍しいものだ、使いやすい』など、すごく良い反応を頂いている。と、仰っていました。サボテンさんが販売する鋏の特徴としましては刃の角度がトリミング(大麻の余計な部分を取り除く作業)にしやすいように曲がっていたり、作業をしながら指先が使えたりする小さな鋏があります。あと鋏の開閉がバネではなく、磁石が使われているなど開閉のやりやすさにも工夫がされていました。(こちら現在特許出願中とのこと)

サボテン(展示ブース)

海を越えた世界でもメイドインジャパンは存在感を表しています。今後はどんな日本企業が世界にアピールしていくのか注目です。

印象に残ったこと

同展は出展企業数が約500社ととてもグローバルな展示会となり、アジアだけでなく世界中各国から出展企業が集いました。そこで私はどの国がどのような施策で参入を見込み、現在どのような取り組みをしているのか注目してみました。

そこで気づいたことが二つあります。

一つ目は、種や花穂など大麻そのものの研究が進んでいるのはやはり欧米地域だということです。世界的にも先立って大麻を合法化させ、国としての研究や経験を積み上げてきたものは素晴らしく学ぶことは多いと感じました。

二つ目が中国の存在感です。中国では昨年CBDを含む化粧品の販売禁止など大麻に対しては厳しい法規制がされています。しかし一方では、2017年にTHC0.03%以下とする産業用大麻の栽培、生産、加工の規制が緩和されるなど、ここ数年で中国の産業用大麻市場は急速に発展しています。そのため、今回のアジア国際ヘンプエキスポ2023でも中国企業の出展数が一番多かった印象があります。個人的には、今後の中国の動きにも注目しています。

タイの大麻市場(街の様子)

展示会では、これから世界的に大麻事業がどんどん盛り上がるであろう様子ではありましたが、もともと違法だったものが合法化された街の様子はいかがでしょうか。

タイでは2022年6月に大麻が合法化されました。それから街中では、ディスペンサリーショップ(大麻を販売しているお店)がすごい勢いで増えていったといわれています。私が初めてタイに行ったのは2023年3月、合法化から約9か月目です。その頃には街の至る所にコンビニ以上の大麻ショップが並んでいました。

さらに、それだけでは収まりきらず、屋台で販売するところも多数見かけられるような状態でした。(栽培や販売するのには公的なライセンスが必要だが取得せずに無許可で営業しているような噂も…)

そんな中、最近ではタイの娯楽目的の大麻使用を禁止するというニュースが話題ですね。一時はグリーンラッシュといわれ、かなりの勢いで広まった大麻産業も継続できなくなった店舗の閉店や、ライセンスのない店舗の摘発など、このころには合法化当初と比べると落ち着きつつあるように思いました。

まとめ

『アジア国際ヘンプエキスポ2023』に参加してみて、大麻という植物が依然として複雑な社会的・法的な背景を持ちながらも、医療や産業用途での可能性を広げていることを確認できました。タイでの大麻市場の急成長や合法化後の社会的変化、さらには世界中の国々の参入戦略といった点が今後の大麻産業の動向を考察する上で学ぶべきところはたくさんあります。

いよいよ日本でも76年変わらなかった大麻取締法の改正が昨年、参議院本会議で可決され、少しずつですが前に進んでいるように感じます。日本で最大のCBD/ヘンプの展示会『CBDジャーニー』を主催するCBD部の一員として、今回の実際に現地で得た学びを形にし、今後の法改正や産業発展に向けて貢献していくことをお約束します。



最後までお読みいただきありがとうございました!
これからも少しでも皆様のお役に立てるような情報発信を心がけてまいります!

CBDアドベントカレンダーはまだまだ続きます!お楽しみに!

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