タイの大麻事情と今後|大麻農家のジョーさん【CBDアドベント2023】

こんにちは!CBD部の松井(@matsui_cbdbu)です!

CBDアドベントカレンダー2023 DAY12(4/7)の企画として、タイで大麻事業を中心としてご活躍されているジョーさんにコラムを執筆していただきました!

今回、ジョーさんに解説して頂いた内容は、最近医療大麻が解禁したタイの大麻事情についてです。

〈ジョーさんのプロフィール〉

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バンコク、ディスペンサリーだけで4,000店

昨年6月に大麻を医療目的のみの利用に解禁したタイは、連日多くの観光客で賑わっている。

タイ観光庁によると今年見込む旅行者数は3,440万人。

日本からの旅行者もコロナ前に比べると30倍を超えている。

これに比例して大麻を販売するディスペンサリーは急増

去年8月はバンコク市内で200店。

2023年3月現在で、合法、非合法合わせて4,000件を超えたと言われている。

エカマエ駅周辺だけで確認できる店数が90店であることから、非現実的な数字ではない。

多くのディスペンサリーは外国投資家によるタイ共同事業が少なくないため、様々なテーマにより観光客を魅了する。

差別化を図るディスペンサリーは、大麻バッズ(乾燥花)の種類や、高いTHCなどの商品を揃えている。

また、違法であるエディブル(タイではTHC0.2%以下と決められている)、ジョイント、または米国から密輸された大麻(タイは大麻の輸入違法)が販売されている。

合成PGRやPGR(ホルモン成長剤)を使った今流行の大麻である。

ディスペンサリー事業は、参入障壁が最も低く簡単に始めることができることから、日本人経営によるディスペンサリーも増加傾向にある。

大麻栽培農業減少?

タイ貢献党

当初複雑であった栽培認可制度は合法化と共に簡素・簡易化されたタイでは、堰を切ったように多くの栽培農場が誕生した。

多くの農場は、様々な理由から多くの失敗をしていく。

成功とは失敗の繰り返しなので、それ自体は当たり前なプロセスである。

実際私も多くの失敗を栽培においても経験している。

手厚い資金が無ければ、ショートするのはとても早い。

ご存じの無い方は多いかもしれないが、農業は非常にお金がかかるのである。

自然環境や市場の変化などで、多くの栽培事業が減産傾向にある。

特にディスペンサリーへの販売をメインに栽培している栽培会社は、違法に流通している大麻により大きなダメージを受けた。

大麻THCのみ厳格化か?

タイの麻薬取締局で押収した大麻6キロ

ここ10年に渡る軍事政権が4月に終わりを告げる。

タイ国法にのっとり3月にプラユット首相は政府解散の申請書をラマ10世国王に提出した。

これにより、5月中旬にタイの選挙が始まる。

国会議員500人を決める大選挙である(現在軍人で殆ど占められている250人の上院議員選挙は今年中に行われる)。

前回出された選挙予想によると49%はタイ貢献党(プアタイ)による圧勝であり、この党は過去薬物に対しては厳しい態度で知られている。

仮にこの通り選挙が運ばれると、当然組閣は貢献党に染まる。

今回の大麻政策においても厳しく変化することは比較的予想に難しくない。

そこで想定される新制度を考えてみた。

想定されるタイの新制度

①栽培ライセンス更新時における厳格化。

栽培ライセンスは1年更新である。更新時にあらゆる制限がかかる可能性

②ディスペンサリー認可更新

クリニックの併設や、医師の常駐などの条件が執行される可能性(法律ではこれらは条件であるが執行されていない)

③輸入大麻への厳格化

輸入大麻への取り締まりが強化

④新たな許認可制度

上記を踏まえて新たな法律を制定する可能性

⑤大麻を利用した産業製品の促進

エディブルなどの大麻製品は拡大?

ディスペンサリー

世界の大麻市場は大きくエディブルにシフトし始めている。

未だにエディブルに厳格なタイが、躍進していくエディブル市場にどのように対応していくかが注目される。

ただし、エディブル摂取による救急事案が増加しているタイにおいて、新政府がどのような対応するのかは全く未知数。

願わくはタイのインスタント大麻ヌードルが、世界を座巻きするのを見てみたい。

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